NIKARI

NIKARI 日本正規代理店

About NIKARI

NIKARI 工房

NIKARIはフィンランドの家具職人が設立した家具ブランドです。

フィンランドでは森は貴重な資源であり、人は森と共に生きるべく森林を維持してきました。

森とクラフトを愛した創設者カリ・ヴィルタネンは、設立当初より素材、製品、人すべてにおいて自然環境に配慮することを家具作りの基盤としています。

NIKARIの家具は素材に対する洞察が凝縮されていて、その緻密な計算、妥協のない専門技術が、洗練された無駄のないフォルムを実現させているのです。

彼の技術力の高さは巨匠アルバ・アアルトにも見出され、これまでに多くの建築家具を実現させました。カリの技術を継承するNIKARIの工房は今なお世界中のデザイナーのオファーを受けています。

芸術性を感じる機能美と堅牢さを携えたNIKARIの家具は、木のやさしさと感触をそのままに品格ある経年変化を楽しむことができます。


Brand story

カリ・ヴィルタネン

名工カリ・ヴィルタネン

NIKARIは1967年、フィンランド西海岸のオストロボスニア地方で、19歳の若き家具職人カリ・ヴィルタネンによって設立されました。カリは非常に腕の立つ職人としてすぐに地域で評判となり、ちょうど近隣でラクーデンリスキ教会を完成させ更に図書館の建築を進めていた偉大な建築家アルヴァ・アアルトの目に留まりました。アアルトはこの職人の腕前を大変気に入り、彼が引退する直前までの7年間、共にプロジェクトを進めました。

そして、次の顧客はフィンランドデザインの父、カイ・フランクでした。この偉大な2人の巨匠は、カリ・ヴィルタネンに職人技の未来について考えることを教えました。つまり、フィンランドの伝統を受け継いだ木工技術を活かし、いかに最新の現代デザインと融合させるかを試行錯誤させたのです。

当時1970年代、合板やMDFを多用しラッカーで仕上げる家具が人気だった時代に「誰かが美しい無垢の木を使い続けるべきだ」と巨匠2人がカリを説得し、カリはそれを受け入れ、使う人にも作る人にも自然にとっても健全な家具を作り続けています。以後20年程、カリ・ヴィルタネンはフィンランドの優れた建築家やデザイナーのための「シークレットサービス」として試作品、模型、住宅用家具などの制作に専念しました。カイ・フランクと共に展覧会も開催し、1987年には北欧のブルーノ・マトソン賞を受賞します。


フィスカルス村

フィスカルス村に移転

1993年、より広い場所、より豊富な樹種を求めフィスカルス村に移転します。

17世紀に製鉄所として栄えたフィスカルス社の古い建物は何世紀も経て非常に状態が悪く、村も住人が少なく廃村寸前でした。そこでフィスカルス社は職人やアーティスト、デザイナーを村に招き、生活してもらうアイディアを打ち出します。NIKARIはその建築改修に協力し、職人達を育て、そして素晴らしい工房と自然を手に入れることができました。フィスカルス村の活性化にNIKARIは欠かせない存在となりました。

ヘルシンキ大学からも木工技術を伝承する講義の依頼がありました。カリは「丈夫でベーシックな木の椅子」を説明するためにシンプルで基本的な椅子を作成。ある時、工房を訪れたアメリカ人建築家がこの講義説明用の椅子に注目します。この建築家スティーブン・ホールはヘルシンキの近代美術館「キアズマ」でこの椅子を採用、セミナーと名付けられたこのシリーズのベンチ、テーブルなどの製作を依頼します。NIKARIはセミナーシリーズを更に展開、この頃から家具プロダクト製作が始まります。


カリ・ヴィルタネン

NIKARIが同グループ内のWOODNOTESとの初コラボ作品DETALJI BENCH

新しい時代へ

「キャビネットメーカー」としてフィンランドで名を馳せたNIKARIは、職人技と現代的なデザインに関する深い知識を持つ会社としてフィンランドでは有名でしたが、それは国内に留まっていました。

2012年、ヘルシンキが世界のデザインシティに選ばれたことを契機に、新しいNIKARIのCEOはこの会社の素晴らしいストーリーを一つのプロジェクトにして世界に伝えることにチャレンジしました。シリーズ「12 DESIGNS FOR NATURE」。12の異なるデザインスタジオに、NIKARIの哲学に耳を傾けて何らかの形で答えを出す様にリクエストし、毎月新しいデザインを発表しました。ハッリコスキネン、ジャスパーモリスン、アルフレッドハベリなどがこのシリーズに参加、国際的に高い評価を得ることができました。これを機にNIKARIは国際化を開始、現在では製造の半数以上を海外向けて輸出しています。また、12 DESIGNS FOR NATUREは収益の一部を世界の森林の生物多様性保全のために寄付されています。

以降、世界各国のデザイナーとのコラボレーション、フィンランドのパルプを利用した生地を開発したWOODNOTESの合併など視野を広げつつ、「永く美しく使える家具」を標榜し家具作りを続けています。

現在、NIKARIの多くの製品は本社のあるフィスカースの森の木を中心に製作され、それと同時に森を守るための植林活動も行っています。動力源は隣接する川を活用した水力発電のみを使用しており、サステナビリティに取り組む企業としても 再注目を浴びています。


History

1967
家具職人カリ・ヴィルタネンがNIKARIをオスロボトニアに設立、最初のプロジェクトであるアルヴァ・アアルト建築事務所との協同は以後7年間続く
1977
ヘルシンキで、カリ・ヴィルタネンとカイ・フランクが初めて共同展示会を開催
1987
カリ・ヴィルタネンが北欧のデザイン賞ブルーノ・マトソン賞を受賞
1993

NIKARI社、フィンランドのアートとデザインの中心地、フィスカルス村に移転

カリ・ヴィルタネンがSIO(フィンランドインテリア建築家協会)の家具デザイナー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞

カリ・ヴィルタネンのデザインした「フルーツボウル」がニューヨーク近代美術館のパーマネント・コレクションに選定される

1996
ルディ・メルツとカリ・ヴィルタネンの共同制作開始
1998
アメリカの建築家スティーブン・ホールがヘルシンキ・キアズマ現代美術館の来館者用チェアににKVT2を採用
2005
カリ・ヴィルタネンが国家デザイン賞を受賞
2006
ルディ・メルツがフィンランド芸術家・デザイナー協会の年間賞を受賞
2007
NIKARI社創立40周年
2009
カリ・ヴィルタネン、フィンランド大統領より「プロ・フィンランディア」メダルを受賞
2010
世代交代:新世代の起業家が会社を運営開始。京都でニカリ製品のライセンス生産を開始
2012
ヘルシンキ・デザイン・キャピタルの年を記念して、「12 DESIGNS FOR NATURE」商品開発プロジェクトが行われる。国際的に高い評価を受け、国際家具見本市に初出展
2014
世界5大学(ヘルシンキ、広東、トロント、ミラノ、ストックホルム)と共同で「5 STUDIES FOR NATURE」プロジェクトを実施
2017
NIKARI社は設立50周年を迎え,「50年の物語」をテーマとする書籍「WORKING WITH WOOD - a Nordic perspective on Cabinetmaking」を出版
2020
NIKARI LtdとWOODNOTES Ltdが合併し、別ブランドとして存続しながらも、一部業務を統合。ヨハンナ・ヴオリオが両社のCEOに就任
2020
カリ・ヴィルタネンが名誉あるカイ・フランク・デザイン賞を受賞

Designer

NIKARIと共同作業しプロダクトを生んだデザイナー